Excelでデータ集計や分析を行ううえで、頻繁に利用されるのが「カウント系関数」です。中でも、COUNT関数とCOUNTIF関数は、「何件あるか」「条件に一致する数はいくつか」といった、基本的ながら非常に重要な集計処理に欠かせない存在です。
本記事では、COUNT系関数の中でもよく使われるCOUNTとCOUNTIFの違いや使い方を中心に、実務での活用例や応用テクニックまで丁寧に解説します。Excel初心者から中級者まで、確実に理解を深める内容となっています。
COUNT関数の基本
■ 構文と使い方
=COUNT(数値1, [数値2], ...)
COUNT関数は、指定された範囲やセルの中で数値が入力されているセルの数をカウントする関数です。
例
=COUNT(A1:A10)
A1からA10の中に含まれる数値セルの数をカウントします。文字列や空白セルは無視されます。
■ 特徴と注意点
- 数値以外(文字列、空白、エラー)はカウントしない
- 日付もシリアル値(数値)として扱われるためカウントされる
- 数式で計算された数値も含まれる
COUNTIF関数の基本
■ 構文と使い方
=COUNTIF(範囲, 条件)
COUNTIF関数は、指定した範囲の中で「条件」に一致するセルの数をカウントします。
例:
=COUNTIF(B2:B20, "東京")
B2からB20の範囲で「東京」と一致するセルの数を数えます。
■ 条件の指定方法
"=東京":文字列一致"<>東京":東京以外">=100":100以上の数値"*山田*":山田を含む文字列(ワイルドカード)A1のようにセル参照も可能
■ COUNT関数との違い
| 関数名 | 機能 |
| COUNT | 数値セルの件数をカウント |
| COUNTIF | 条件に一致するセルの件数をカウント(数値・文字含む) |
実務での活用シーンとサンプル表
以下は実際の業務でよく使われるシーンと、対応する関数例です。
| シーン | データ例 | 使用関数例 |
| 月別売上件数のカウント | 売上日列:2024/07/01〜07/31 | =COUNT(A2:A100) |
| 商品カテゴリごとの件数 | カテゴリ列:「食品」「衣類」「家電」など | =COUNTIF(B2:B100,”食品”) |
| 出席回数のカウント | 出欠欄:○ or × | =COUNTIF(C2:C100,”○”) |
| 点数80点以上の人数 | 点数列:0〜100 | =COUNTIF(D2:D100,”>=80″) |
5. COUNTIF関数の応用テクニック
■ ワイルドカードの使用
*:任意の文字列?:任意の1文字
例
=COUNTIF(A1:A20, "*山田*")
「山田」を含む文字列をカウント。
■ 比較演算子の活用
">=100":100以上"<50":50未満"<>0":0以外
例
=COUNTIF(B1:B100,">=70")
■ セル参照を使った条件の指定
数式に直接値を書かず、セルを参照すると柔軟になります。
例:
=COUNTIF(A1:A100, ">" & D1)
D1の値より大きいものをカウント。
■ 空白や非空白セルのカウント
空白セルの数
=COUNTIF(A1:A100,"")
非空白セルの数
=COUNTIF(A1:A100,"<>")
6. 複数条件のカウントにはCOUNTIFS
COUNTIFでは1条件のみですが、複数条件を指定したい場合はCOUNTIFS関数を使います。
■ 構文
=COUNTIFS(範囲1, 条件1, 範囲2, 条件2, ...)
■ 例:
地域が「関東」、かつ売上が100以上
=COUNTIFS(A2:A100,"関東",B2:B100,">=100")
よくあるトラブルと対処法
| トラブル内容 | 原因 | 対処方法 |
| 数式が0を返す | 文字列として入力されている | 数値形式に修正 |
| 条件が機能しない | 演算子の指定ミス、空白あり | 条件の再確認 |
| ワイルドカードが効かない | 全角・半角の混在 | セルの内容を確認・統一 |
8. 他のカウント系関数との比較
| 関数名 | 機能 |
| COUNT | 数値セルのみカウント |
| COUNTA | 空白以外すべてをカウント(文字含む) |
| COUNTBLANK | 空白セルをカウント |
| COUNTIF | 条件に一致するセルをカウント(1条件) |
| COUNTIFS | 複数条件に一致するセルをカウント |
9. まとめ:COUNT/COUNTIFの使い分けと活用ポイント
COUNT関数とCOUNTIF関数は、Excel集計の基本中の基本とも言える非常に重要な関数です。
- 数値だけをカウントしたい場合 →
COUNT - 条件付きでカウントしたい場合 →
COUNTIF - 複数条件で絞り込みたい →
COUNTIFS - 空白/非空白などのデータ状態を把握したい →
COUNTBLANK/COUNTA
これらを適切に使い分けることで、日々のデータ管理や集計が大幅に効率化されます。とくにビジネスの現場では、「何件あるのか」「どの条件でいくつヒットするのか」という分析が意思決定に直結するため、COUNT系関数は欠かせないスキルです。
ExcelのSUMIF関数・SUMIFS関数の使い方はこちら
https://memonga.biz/excel-sumif-sumifs/
