Excelで「条件に応じて表示内容を変えたい」と思ったことはありませんか?
そんなときに大活躍するのが、IF関数です。
IF関数は、条件に応じて「真(TRUE)」と「偽(FALSE)」それぞれに異なる処理を行える、Excelの論理系関数の基本中の基本。この記事では、IF関数の基本から実践例、他関数との組み合わせ、応用テクニックまでを、わかりやすく解説します。
1. はじめに:IF関数とは何か?
IF関数とは、「ある条件が満たされているかどうか」を判断し、
- 条件が TRUE(真) のときに表示する内容
- 条件が FALSE(偽) のときに表示する内容
を、それぞれ指定できる関数です。
例えば、テストの点数が80点以上なら「合格」、それ以外なら「不合格」といった分岐表示が可能です。
この「条件に応じた処理」という考え方は、Excelの自動化やデータ整理において非常に重要な役割を果たします。
IF関数の基本構文と意味
=IF(論理式, 真の場合の値, 偽の場合の値)
| 引数 | 説明 |
| 論理式 | 比較や条件式(例:A1>=80, B1=”男性”, C2=””)など |
| 真の場合の値 | 条件が満たされたときに表示したい値や式 |
| 偽の場合の値 | 条件が満たされなかったときに表示したい値や式 |
ポイント:文字列は "ダブルクォーテーション" で囲みます。
3. IF関数の使い方:基本パターン
● 数値条件の判定
=IF(A2>=80, "合格", "不合格")
● 文字列の一致判定
=IF(B2="営業部", "対象", "対象外")
● 空欄チェック
=IF(C2="", "未入力", "入力済み")
● 0除外
=IF(D2=0, "", D2)
4. どんな時に使うか?活用シーン
IF関数は、以下のような実務シーンで活躍します。
✅ 結果の表示切替
- 点数による「合格/不合格」判定
- 在庫数による「補充要/在庫OK」表示
✅ データの分類
- 条件によりグループ分けや区分名を自動表示
✅ 入力チェック
- 空欄、誤入力、エラーなどの表示補助
✅ エラー処理・警告表示
- データ整合性のチェックやアラートの表示に活用
5. 実践サンプル:IF関数の使いどころ
📌 成績評価(点数によって合否を分岐)
=IF(A2>=60, "合格", "不合格")
📌 勤怠管理(勤務時間が8時間未満なら注意)
=IF(B2<8, "注意", "OK")
📌 在庫管理(在庫が0なら「補充要」)
=IF(C2=0, "補充要", "")
📌 セルが空欄かどうかを判定
=IF(D2="", "入力してください", "OK")
6. よくあるエラーとその対処法
| エラー | 原因と解決法 |
| #NAME? | 関数名のスペルミス、文字列を ” ” で囲んでいない |
| 式が複雑 | 入れ子IFが多すぎる → IFS関数やVLOOKUP、SWITCH関数を検討 |
| #VALUE! | 論理式に不正な値が含まれている → 数式の構文を再確認 |
| カンマ/カッコ不足 | 開き・閉じのカッコの数、引数のカンマを確認 |
7. IF関数と他関数の組み合わせ技
✅ IF + AND/OR(複数条件を判定)
例:点数が80点以上かつ出席率が90%以上で「合格」
=IF(AND(A2>=80, B2>=90), "合格", "不合格")
例:営業部または企画部なら「対象」
=IF(OR(C2="営業部", C2="企画部"), "対象", "対象外")
✅ IF + ISERROR/IFERROR(エラー回避)
=IFERROR(100/A2, "エラー")
→ A2が0や空欄のときに「エラー」と表示して回避
✅ IF + VLOOKUP/INDEXで条件付き検索
=IF(A2="商品A", VLOOKUP(A2, 商品表, 2, FALSE), "")
→ 特定の条件が合うときのみ検索結果を表示
✅ ネストIF(入れ子)
=IF(A2>=90, "S", IF(A2>=70, "A", IF(A2>=50, "B", "C")))
→ 点数に応じて4段階評価を表示(段階が多いときはIFS関数推奨)
8. IF関数の応用テクニック
🔸 順位やランク分けに応用
=IF(A2>=90, "SS", IF(A2>=80, "S", IF(A2>=70, "A", "B")))
🔸 グラフや条件付き書式との連携
IF関数の結果を使って、セルの色分けやマーカーの表示制御も可能です。
🔸 複雑な処理ロジックを簡略化
条件を別セルに分けたり、名前付き範囲を使うことで可読性アップ。
9. まとめ:IF関数はExcelの思考ロジックの基礎
IF関数は、「条件によって処理を変える」ロジックをExcelに組み込むための、最も基本かつ重要な関数です。
- データの分類・表示切替
- 条件による判断・警告
- 他関数との組み合わせで応用自在
単体で使うだけでも非常に便利ですが、AND・OR・IFERROR・VLOOKUP関数・INDEX関数などと組み合わせることで、より高度な処理が可能になります。
ぜひ、IF関数を使いこなし、Excelをあなたの「仕事の相棒」として活用していきましょう!
