Excelでデータを集計する際、「特定の条件を満たすデータだけを合計したい」という場面は多くあります。そんなときに大活躍するのが、SUMIF関数とSUMIFS関数です。
これらは、「条件付きで合計」を実現する関数で、日々の業務や分析作業を効率化する強力なツールです。本記事では、これらの関数の使い方から実践例、応用テクニックまで詳しく解説します。
SUMIF関数とは
- 範囲:条件を判定するセルの範囲
- 条件:合計対象を決定するルール(例:”>100″, “営業部”, A1 など)
- 合計範囲:実際に合計したいセルの範囲(省略可能。省略時は「範囲」と同じ)
よくある間違いと注意点
- 合計範囲と条件範囲のサイズが異なるとエラーや意図しない結果になります。
- 条件に「>=1000」などの記号を使う際は、文字列として囲む必要があります。
SUMIFS関数とは
SUMIFとの違いは、「複数の条件」を指定できる点です。
実践活用例:業務での使いどころ
月別売上の集計
=SUMIFS(売上範囲, 月範囲, "2025/07")
● 商品カテゴリごとの合計
=SUMIF(カテゴリ列, "飲料", 売上列)
● 勤務表での時間合計
=SUMIFS(時間列, 氏名列, "山田", 日付列, ">=2025/07/01", 日付列, "<=2025/07/31")
● 会計帳簿での費目別合計
=SUMIF(費目列, "交通費", 金額列)
SUMIF/SUMIFSを使うメリット
- 高速で柔軟な集計ができる
- フィルタやピボットテーブルと違い、セルに埋め込めるので他の計算式と組みやすい
- 動的なレポート作成やダッシュボードとの相性が良い
- 複雑な条件を扱えるSUMIFSは、実務では非常に強力
応用テクニック
● ワイルドカードの使用
| 記号 | 意味 |
| * | 任意の文字列(0文字以上) |
| ? | 任意の1文字 |
=SUMIF(A2:A10, "山*", B2:B10)
他関数との組み合わせ
● IF関数との連携(条件に応じた合計)
=IF(C1="東京", SUMIF(支店列, "東京", 売上列), 0)
IF関数の詳細はこちら
よくあるエラーとその対処法
| 症状 | 原因 | 解決策 |
| 結果が0になる | 範囲のズレ、条件ミス | 範囲の大きさ・値を見直す |
| #VALUE!エラー | 引数の不一致 | 合計範囲と条件範囲のサイズを揃える |
| 条件が適用されない | セルのデータ型が異なる | 数値・文字列を明確に分ける(例:”100″ではなく100) |
SUMIF・SUMIFS関数は、日々のExcel業務での集計を劇的に効率化してくれる関数です。
基本を押さえつつ、応用や他関数との組み合わせを覚えれば、より柔軟なレポートやデータ分析が可能になります。
関数に慣れることで、手作業の集計から解放され、より戦略的な業務に時間を割けるようになるでしょう。
ぜひ、今日からあなたのExcelスキルに取り入れてください。
